保存 9646 

9646 長野県長野市 豊野中央公民館前に保存 2019年1月撮影

しなの鉄道・JR飯山線の豊野駅から徒歩10分ほどのところにある豊野公民館前に保存。露天なので風雪に耐えているため老朽化も進んでいる。


 
デフなし化粧煙突にバッファーリンク 往年の大正機の貫禄十分の姿 キャブも風格がある
雪晴れのもとでの姿はすっきりとしているが露天の状態は厳しい
テンダはやや改造されている 後部標識灯とバッファーは装備のまま
 
腕木信号機が良いアクセントになっている

2005年(平成17年)の状態

撮影 2005年(平成17年)元日

降り積もる雪の中で発車を待っている姿は現役時を思いださせる。
 
黒い機関車に白い雪は魅力的であるが 静態保存機には静寂のみが伝わる
背後のトタン板に貼られた説明板。丁寧な文章だがそろそろ書き換えてほしいものだ。

その後の訪問ではさらに文字がかすれて読めなくなっていた

時ならぬ吹雪でカマもかすみがちな新年。しかし9600は悠然と鎮座していた。

このときは大雪でしたが雪のない季節では緑の中での姿となり、近年整備もされたようです


9646

大正3年(1914)12月1日 川崎造船所製(製造番号155)。新製後は全国各地を転々としたようだが、昭和以降は生涯のほとんどを信越・北陸地区で過した9600で、戦前は長野などに配属されていた。その後直江津-米沢- 新津などを移動し役目を終えるが、折しも国鉄製作の「鉄道100年記念映画」に登場する9600形式として出演が決まり、製造当初に近いスタイルに復原され横浜などでロケを行った。撮影終了後は故郷の長野に帰り昭和47年2月に廃車、その三ヶ月後に豊野町へ保存された。

エピソード
同機を末弟とした上の3兄弟機はともに長い生涯を生き抜き保存されている。一番上の9643は国鉄からは早く引退したが最北に近い日曹天塩で番号もそのままで活躍し、廃車後は札幌市のビール園で余生を過している。また2番目の兄機9644は国鉄での在籍は最も長く昭和50年まで健在で、鷲別区で廃車となり新潟県に保存された。だが同機は惜しくも老朽化のため先年解体されてしまった。そしてひとつ上の9645も国鉄から夕張鉄道24号ー北炭真谷地24号と移籍しつつも北海道で頑張り深川市に保存されている。

同機が映画出演をしたことは前述したが、そのための9600出現当時の装備(バッファーリンク・螺旋連結器など)のまま保存され、貴重な存在となっている。また映画出演時には時代に応じていくつかの仲間を名乗った関係でナンバープレートもそれぞれ用意され使われた。9600・9688・9694・19623・29657・59631の6両のものだが、このうち29657は新潟県北魚沼郡に保存されて健在である。


※晴天時と運転室内部などの画像は吉野富雄様の『五条川鉄道写真館』を御覧下さい。画像はこちら


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