JR茅野駅のホームからも見える駅前広場に屋根付きで保存されている。休憩スペースもあり東口再開発のシンボル的存在。
注意書きのイラストが長工式切り取りデフ装備?のD51に見えるのが微笑ましい。スノープラウ?も付いた上諏訪のD51824が思い出される長野の保存機らしいものである。
昭和8年(1933)12月1日、日立製(製造番号518)。九州地区に新製配置され鹿児島などに在籍した。戦前から戦後にかけて長野県の大町などに配置されその後もずっと松本など信州の機関区で働き、この保存地に近い上諏訪区を経て最後は中津川(岐阜県)機関区に所属し明知線と構内・周辺の入換をこなし48年3月13日に廃車となった。
主な履歴 昭和13年1月15日松本→昭和40年4月1日上諏訪→昭和47年4月1日中津川→昭和48年3月13日中津川廃車
エピソード
同機の兄弟機ではひとつ上の兄66号は有名である。諏訪時代には兄弟で上諏訪区で仕事をした仲でもあり、その後66は東北へ移動後廃車〜福島県保存〜真岡鐵道で動態復活という経緯をたどっていまなお健在である。弟の68は解体されて存在しないがその下の69号は愛知県に保存されている。
【諏訪のカラス】
同機は40年代の中頃に上諏訪区に在籍し、周辺の入換えや小運転などを仕事としていた。その仲間は66号・171号などで、この3両の活躍の姿を追った某趣味誌のリポートでは「諏訪のカラス」という愛称が付けられており、こまめに働く姿が詳細に記録されていた。この同僚3両すべてがいまも保存(66は動態)されて健在なのは嬉しい限りである。なお67号は最終配置区となった中津川所属時代の姿がJR東海の1988年発行のオレンジカードNo7の図柄にも採用されている。
【「あずさ」で訪ねる保存蒸機】
中央本線の看板列車・特急「あずさ」(スーパーあずさもあるが)の長野県に入っての主要停車駅は茅野・上諏訪・下諏訪・岡谷・塩尻・松本などであるが、その各駅毎に最寄りの場所に蒸気機関車が保存されている。信州・長野県には多数の保存機があるがとりわけ中央・篠ノ井線沿線には駅近くの保存機が多い。その「あずさ」で訪ねる保存機は、茅野はこのC1267、上諏訪は諏訪湖畔のD51824、下諏訪は駅近くの公園にC12171、岡谷はやはり諏訪湖畔にD51349、塩尻は駅東の市役所にD51155、松本は少々離れるが市内の公園にD51172といった具合である。この6両のカマ達はみな上諏訪機関区に在籍した経歴を持っており、その所縁をもって故郷に保存されている幸せな機関車である。機関区の跡地はすっかり再整備されて「中央本線のD51といえば上諏訪」とも言われた記憶もをたどるものはほとんど残っていないが、この地で働いた機関車たちがその功績を今に伝えているともいえよう。
※ちなみにこの区間の前後も小淵沢(山梨県)にC56、塩尻から木曽路に入って奈良井・薮原・木曽福島・南木曽・中津川、篠ノ井線も明料・聖高原・篠ノ井・長野・・と静態保存蒸機がおり、信州は汽車旅をする人たちにとっても保存機関車に会いに行く人たちにとっても楽しいコースであろう。
※カラーの退色などで画質が良くありません。
※TADA様の『汽車・電車1971〜』には同機の他の保存C12の架空座談会がありますのでぜひこちらも御覧下さい。サイトはこちら