保存 C56144

C56144 長野県小諸市 懐古園内に保存 昭和55年(1980)6月

小諸駅の信越本線(現・しなの鉄道)沿いに見える位置にいる。まだ前照灯が健在だったころの状態 周囲も植栽がないのですっきりとしていた。昭和55年(1980)6月


16年後の姿 前照灯が紛失している。プレートは赤に 1996年4月
ランボード以外の白線は目立つだけに余計な感じがした
製造所銘板と換算標は残っていたがこちらまで赤色になっていた

さらに22年後の姿 時に変化はないが銘板類は全くなくなっていた 2018年2月
冬場なので木々の葉がなく全体が眺められる
テンダのプレートも赤 後部標式灯も健在
 
キャブ周り すっきりはしているのだが銘板類が
説明板も書き換えられていたが小海線時代の事がもう少しあれば
前照灯があればかなり良い感じのアングルなのだが

2023年6月 先年再整備が行われ塗装とともにナンバーやロッドなどが赤色から元に戻された
夏場は木々が生い茂り全体を見ることが難しい
 
キャブ周り「込」の区名札が入ったが名盤類はなかなか復活しない
黒光りして綺麗な姿で今にも動き出しそうだった

昭和13年(1938)6月、日立製造(製造番号987) 北海道に新製配置され深川ー名寄ー釧路区などを移動、昭和17年(1942)に本州に移り中込区で小海線を走る。その後中込区にて同僚の149・150・159らとともに「小海線のシゴロク」としてブームの中で脚光を浴びる。小海線の無煙化(1972ー10)を待たずに九州の吉松区に移動、三ヶ月余り働いたのち再び中込へ戻りそこで廃車となった。廃車日は昭和48年(1973)1月10日。2023年1月10日で廃車50年となった。

現役時代のC56144

中込機関区の転車台に乗る144号 昭和46年(1971)3月
貨物列車を牽いて滑津川を渡る144号 滑津ー北中込 昭和46年(1971)3月

中込のC56カルテット

晩年の小海線の中込機関区には4両のC56が配置されファンの人気を集めていた。そのメンバーは144・149・150・159で47年10月の無煙化までほぼ欠けることなく働いていた。そんなある日、同日同時間帯に中込に4両全てが揃うシーンが見られた。この時間帯には小海線のどこにもC56はいないはずで珍しいことではあった。

 
 

エピソード

同機が昭和47年(1972)に吉松区に転出した件は、同年10月の鹿児島国体の際に運行された「お召し列車」の牽引にも関連している。この列車の牽引に当時吉松区にいたC5691号と宮崎区の92号が指名され(どちらも運用時は鹿児島区に貸し出し)、さらに吉松区にいたもう一両のC56135号も予備機に指定されたため、吉松区のC56の本来の業務である山野線や吉松の入換仕業をこなすため、長駆信州から馳せ参じたのがこの144号で、お召し列車の期間中この代役を1両で成し遂げ、指定機が戻るとともに故郷・中込へ保存のため帰ってきた。この一連の流れは蒸機時代の心温まるエピソードとして伝えられている。


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