保存C56150 

C56150 長野県北安曇郡白馬村 白馬アルプスオートキャンプ場の森の中に保存 2024年7月

小海線で長く活躍したC56の1両。大糸線白馬駅から3キロほどのところにあるキャンプ場内の森林に保存(放置?)。バス便もあるが少ない。なお近くに「倉下の湯」と言う日帰り温泉施設がある。


残念ながら施設の管理が行き届かず、露天と言うこともあって近年荒廃が進んでいる。同僚の149号なども同じような状態になっていたが再整備され清里駅横に移設されたことを思うとこちらも手を差し伸べてもらいたい。
 
正面 前照灯のガラス・煙室扉ハンドル・ナンバープレートはない 開閉式のスノウプラウが印象的(中込時代のものは長野工場型の平面のものだった)また残ったプレートやロッドにも赤が入れられている
欠損部品を取り付け、全体的に塗装をすればかなりいい感じに戻るような気がする
公式側キャブ 赤ナンバープレートだけ残る 区名札入れなどは枠ごとなくなっている なお非公式側のプレート類、標記は全て紛失している
後部 もう一枚残っているプレートは黒のまま 後部灯はLP405 雪国の風雪などに耐えてよくもこの姿を保っているのはある意味奇跡 ぜひ再整備を
ランボード・デフ周り・煙突上面などに白線が入れられているのが目立つが、それ以外のところの塗装(前照灯周りなど)はないほうが良いところもある

遠景からだと各部品や一定の塗装などは欠損が少なく(キャブ周りは除く)全体的に整った姿に見えるのがせめてもの救いだろうか

車両を連結して煙を出せば木立の中をやってくる現役時の姿を想像できるカットなのだが

C56150

昭和13年(1938)6月、三菱重工神戸製造(製造番号232)。戦前は主に東北地区に配属され、若ナンバーの戦地供出などに伴い昭和17年に中込区に移動、以来同区を離れず小海線の無煙化の昭和47年秋まで生涯のほとんどをここで過ごした。その後山陰の浜田区に移り三江線や入換仕業を勤め昭和50年2月17日に廃車となった。廃車後は「小海線ゆかりのC56」として故郷信州に戻り同地に保存された。


現役時代のC56150

早暁の小淵沢の大築堤を「八ヶ岳高原号」を牽引してやってきたC56150[込] 昭和47年(1972)7月

※画像では機番は分かりませんが、このあとの野辺山などでのスナップや運用で150号だと判明しています。ちなみに約1年前の昭和46年3月に清里ー野辺山間で上りの「八ヶ岳スケート号」を撮影した時の牽引機も150号でした


「高原列車」を牽いて野辺山に到着し休息するC56150[込] 昭和47年(1972)7月
現役の姿はやはり美しい 後部からのC56らしいアングルが魅力を増す
小淵沢の駐泊所で休息する150号

「八ヶ岳スケート号」を牽引して仕事を終え、小淵沢の駐泊所で休息する150号 昭和46年(1971)3月
小さいながら転車台・給炭台・事務所なども揃っていた駐泊所

中込のC56カルテット

晩年の小海線の中込機関区には4両のC56が配置されファンの人気を集めていた。そのメンバーは144・149・150・159で47年10月の無煙化までほぼ欠けることなく働いていた。そんなある日、同日同時間帯に中込に4両全てが揃うシーンが見られた。この時間帯には小海線のどこにもC56はいないはずで珍しいことではあった。

 
 

戦前から多くのC56が配置されていた中込機関区(管理所時代を含む)だが、戦後の動力近代化などで 両数も少なくなり晩年の配置はC56144・149・150・159の4両になっていた。 この「最後のC56四人衆(小海のC56というとこのナンバーで、たまに助っ人の糸魚川の125とか131とか160なんかもちょこっと来たことがあった)」は、昭和47年の小海無煙化後は144以外は他区へ転出して廃車になったが、山陰で150を、七尾で159をみても「ああ中込のC56だな」という印象の方が強かった。
この4両のカマは鉄道ファンの中でも「小海線のC56」というイメージが強く(確かにこのメンバーでの時期が長く、ちょうどブームの頃にもあたっていたからかも)、小海線の無煙化後も一部は転属したので当時の撮影旅行では彼地で再会することもあったけどどうも違和感があった。小海線からC56が消えたのは昭和47年秋(1972)のことで意外と「遅くまで残っていた」という感じではないのが・・・。
ちなみに144は九州のお召しの仲間のピンチヒッターとして吉松に一時移動後再び中込に戻って廃車となり小諸に保存、149は中込で廃車(沿線保存・移転あり)、150は山陰・浜田まで移動して昭和50年まで頑張って廃車後やはり信州へ戻って保存、159は七尾へ移動して現地(羽咋)で保存されたが老朽で解体され動輪だけ残っている(一部の部品は一つ下の弟機でもある160号に譲渡)。廃車後の保存状態は小諸の144を除いてあまり良い状態は保たれてなかったが149は再整備されて清里駅横に移設された。 なお小海線沿線には中込(滑津)に101、野辺山に94、小淵沢に126が保存されていて特に小海線に馴染みがあるカマではないが、さすがC56の里に相応しい両数の保存地域であろう。(C5694は無煙化後にイベント運転で一時走った)


スタンプの図柄になった150

中込駅のディスカバージャパンの駅スタンプの図柄にも150号が描かれていた

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