JR陸羽東線の西古川駅横の公園に保存されている。露天で展示されてため、ナンバープレート(レプリカ)の破損や紛失、運転席などの荒廃などが進んでいる。ただし外観は意外と普通の状態にも見える。西古川駅内に掲示されていた2008年現在の写真を見るとまだそれほど破損などはしていないようだったが。
同機には冬期に客車列車を逆行で牽引する際に暖房用蒸気を送る前部暖房管が装備されていて、今もそれが残っているのがわかる。この装備は同機が昭和20年代に仙台機関区に在籍していた時に取り付けられたものであろうか?同様のものは同時期に仙台に在籍し、その後は小牛田区で一緒に働いた僚機C58114号(同じ沿線の岩出山に保存 画像はこちら)や中山平温泉駅前に保存のC58356号にもこの前部暖房管が残っている。他の僚機には見られないので陸羽東線用の設置ではないとは思われるが‥‥。ただC5850などにも整備されていたことから区間運転用にここで使われたのかもしれない。
※大崎市の発足は平成18年(2006)3月31日
この西古川駅はかつて中新田駅と呼ばれており、ここから仙台市内まで仙台鉄道という軽便が発着しており、ちょうど駅前と今のC58が展示されているあたりにその駅があったという。この案内板にもその跡の説明が書かれているのは歴史を大切にしている地元の方々の心遣いが感じられる。同じ地元を走っていた鉄道遺産であるこの機関車にもぜひ手を差し伸べてもらいたいところ。
右は1988年に発行されたC5819号の図柄のオレンジカード(JR東日本東北 仙台車掌区 発行)。陸羽東線の撮影名所「鳴子峡」を行く姿であろう
C5819
昭和13年(1938)9月、川崎車輛製造(製造番号1982)。近畿地区に配属されたが5年ほどで東北一ノ関に転属、東北本線やその支線などで働く。その後仙台を経て昭和32年頃に小牛田にやってきた。以後同区(陸東石巻線管理所など名称の変化はあったが)を離れず、無煙化まで活躍した。廃車は昭和48年。
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