保存 C58356

C58356 宮城県大崎市鳴子温泉 JR陸羽東線中山平温泉駅横に保存

JR陸羽東線の中山平温泉駅(旧・中山平)のかつての貨物側線などの敷地に展示されている。陸東無煙化まで活躍したカマで、保存時は盛大に展示式も行われ大切にされてきたようだが、近年はまったく手が入れられず荒廃が進んでいる。


冬期はすっかり雪に埋もれてしまい、駅前なのに近づく事もままならない
 
前照灯や副灯も欠け落ちる寸前 春を待つかのように静かに佇んでいる

(右)2017年に同駅の開業100周年イベントが行われた時のポスターに356号のイラストが(岩出山の鉄道資料館に置いてあった)

冬期はすっかり雪に埋もれてしまい、駅前なのに近づく事もままならない
かつてのC58の名撮影地だった中山平駅もいまはひっそりとしているが、温泉があり駅名標なども観光地らしいものになっている。ホームの向こうに356号
キャブの状態 機関士側・助士側ともガラスはなく荒れ果てている
キャブの状態 機関士側・助士側ともガラスはなく荒れ果てている

ナンバープレート・製造所銘板・換算標・区名札・運用票の枠が両側とも残っているのは奇跡だ。助士側のナンバープレートはなぜか文字部分は磨かれていないのか遠くから見ると枠だけのように見える

同機にも「蒸気列車前部暖房管」が装備されていて、助士側ランニングボード上を通ってエンドビームの上方から連結器を乗り越して右横に出ている。この管も白く塗られているため一見見落としがちだが正面に回っているところからはっきりわかる。この装備がいつ施工されたのかは不明だが、八戸区在籍時に八戸線で鮫あたりまでの旅客列車を逆行で牽いていた記録もあることからかなり前のことだと思われる。


待合室に貼ってあった「中山平温泉駅100年」の記事には保存展示開始時のきれいな356号の姿が‥‥。

地元の子供たちの手作りの中山平の案内図 C58356も描かれている

C58356

昭和19年(1944)1月、川崎車輛製造(製造番号2929)。新製後近畿地区に配属されたが、昭和29年(1954)に東北・宮古区に移動、山田線などで働く。その後は尻内(八戸)区に移動し八戸線で活躍、同線の無煙化に伴い小牛田に移り陸羽東線が最後の職場となった。


エピソード

同機の兄弟のうち、三つ上の兄・353号が和歌山県に、ふたつ上の354号が宮城県利府町に、三つ下の359号が三重県亀山市に保存されている


現役時代のC58356

貨物列車を牽いて陸前古川駅(当時)を発車する356号 昭和47年12月
陸羽東線で貨物列車を牽く356号(重連の次位) 昭和47年(1972)12月 小牛田ー北浦間


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