JR陸羽東線の中山平温泉駅(旧・中山平)のかつての貨物側線などの敷地に展示されている。陸東無煙化まで活躍したカマで、保存時は盛大に展示式も行われ大切にされてきたようだが、近年はまったく手が入れられず荒廃が進んでいる。
(右)2017年に同駅の開業100周年イベントが行われた時のポスターに356号のイラストが(岩出山の鉄道資料館に置いてあった)
ナンバープレート・製造所銘板・換算標・区名札・運用票の枠が両側とも残っているのは奇跡だ。助士側のナンバープレートはなぜか文字部分は磨かれていないのか遠くから見ると枠だけのように見える
同機にも「蒸気列車前部暖房管」が装備されていて、助士側ランニングボード上を通ってエンドビームの上方から連結器を乗り越して右横に出ている。この管も白く塗られているため一見見落としがちだが正面に回っているところからはっきりわかる。この装備がいつ施工されたのかは不明だが、八戸区在籍時に八戸線で鮫あたりまでの旅客列車を逆行で牽いていた記録もあることからかなり前のことだと思われる。
C58356
昭和19年(1944)1月、川崎車輛製造(製造番号2929)。新製後近畿地区に配属されたが、昭和29年(1954)に東北・宮古区に移動、山田線などで働く。その後は尻内(八戸)区に移動し八戸線で活躍、同線の無煙化に伴い小牛田に移り陸羽東線が最後の職場となった。
エピソード
同機の兄弟のうち、三つ上の兄・353号が和歌山県に、ふたつ上の354号が宮城県利府町に、三つ下の359号が三重県亀山市に保存されている