篠ノ井線南松本駅の西方約2キロほどの公園に保存 工場団地が集まる一角の小公園でアルプスの山並みが背景にある
この機関車で一番目立っているのが、機関士側キャブから前方下へ伸びる「長野工場型運転室換気装置」のパイプ一式で、通常時は配管の元部分にはカバーがかかっているためこのような構造になっているのはわからない。露出しなおかつきれいに配管が整備され塗装もされた状態というのは保存機のなかでも稀な存在である。(近隣の保存機では塩尻のD51155が露出、上諏訪のD51824が配管カバー付で展示されている)
D51172
昭和14年(1939)3月、日本車輌製造(製造番号696)。敦賀機関区を振り出しに静岡ー上諏訪と移動し、その後は中央本線・篠ノ井線・信越本線を中心とした機関区で過ごした「信濃のD51」。昭和45年(1970)に木曽福島区に移動し3年後の昭和48年の中央西線の電化無煙化にともなって廃車となった。同機には各所に長野工場らしい改造装備がみられ、ドーム前の缶胴乗り越し手すりや長野工場型運転室換気装置も残されている。ただ晩年取り付けられた長野工場型集煙装置は現在は外されている。
エピソード
本機は最後は木曽福島機関区で廃車となったが、無煙化は昭和48年6月でありその後しばらくは車籍が残り、11月に廃車となっている。この結果同機は「木曽路で活躍し、中津川・木曽福島で廃車となったD51の中で最後のカマ」になった。(他形式だが機関車自体は木曽福島区で入れ換えに残ったC56124号がラスト)
JR東日本・松本運転所発行 夜の木曽福島機関区に憩う姿