鉄道省大宮工場で製造されたD51の第1号機。晩年は山陰地方で活躍していたが、縁の機関車ということで原形に復して保存展示された。なお現在の所在地は埼玉県さいたま市 JR大宮工場前となる。
昭和13年(1938)9月、鉄道省大宮工場製(製造番号1)。新製配置は田端で戦中戦後を過す。その後姫路一区に移動しさらに山陰の浜田区と西日本で晩年を過した。廃車は比較的早い46年8月だが、大宮工場製の1号機ということもあって早々に準鉄道記念物に指定され生まれ故郷へ保存が決まった。
エピソード187号の山陰時代の写真を見ると、ある時は後藤工場式集煙装置(敦賀式に類似の大型のもの)にシールドビーム前照灯の重厚かつ近代的な顔立ちであり、また晩年は大型前照灯に戻されつつも集煙装置が鷹取式に変わり、デフが後藤工場式の切取りのものに変わったりでかなりの変化をたどっている。しかしながら故郷に帰ると誕生時に近い姿に戻り、保存後しばらくしてプレートも形式入りのものになり製造所銘板も立派な大宮工場のものに取り替えられている。煙突が若干短いのと部品の一部を動態の498号に譲っていることなどを除けばほぼオリジナルスタイルでの保存といえるだろう。
風景印市内にある大宮桜木町郵便局の風景印(風景入通信日付印)は03年3月13日に使用を開始したが、図柄にこのD51187号機が採用されている。