風景印の図柄に描かれた「鉄道」リスト

「風景印」とは?

汽車旅や鉄道旅行を含めた旅の楽しみの中には駅のスタンプや乗車券などの他に、郵便局に関わった「旅行貯金」や「風景印」の収集といったものがあります。このうち「風景印」(風景入通信日付印)と呼ばれているものは郵便局の消印のひとつで、その局の所在地や地方の名所・旧跡・特産品などを図柄にしてあります。もちろん正式な郵便消印ですので無料ではなく、最低でもハガキ料金(現在は50円)がかかりますが、旅先からの便りなどに押して貰うと記念にもなりますし、旅の思い出としても喜ばれます。またそのデザインや図柄のバラエティさなどでコレクションとしても人気があります。

鉄道関連図柄の風景印

風景印の中には鉄道関連の図柄を用いたものも数多く見られます。ジャンルとしては車両・駅などが中心で、駅前や駅周辺の局で採用しているものが目立ちます。車両の中でも新幹線・路面電車・地下鉄・モノレールなどは人気があるようです。もちろん図柄の主役というわけではなく、点景や遠景でさりげなく登場しているものもあり、その場合は印の説明(設置の際に公示されるもの)を見なければわからないこともあります。 また特に目立った名所や特産品がないところでは、その土地に来ている鉄道や車両、駅などを図柄に使用することも多く、やはりなにはなくとも鉄道が貴重な存在であることを示しているようです。

鉄道風景印の今後

鉄道関連に限らないことですが、図柄も時代の変遷などによって変更される場合も多く、印影の対象が消滅したりした時は多くの場合風景印も時を経ずして変わることとなります。鉄道関連では路線や駅の廃止、使用車両(印影に使用されている車両)の変更などがあり、いつのまにか印から姿を消してしまうわけです。例えば青函連絡船ですが、青森・函館両地区にとってまさにランドマークであった連絡船はその存在の大きさから、周辺の多くの局の印に採用されていました。しかし廃止されるとさすがに残しておくわけにもいかず、少しずつ風景印の図柄から消えてしまいました。(函館に摩周丸・青森に八甲田丸のメモリアルシップが残っていますが、残念ながらそれを図柄に採用している局はありません)また多くのファンに愛された南部縦貫鉄道のレールバスを採用した千曳局のものも消えています。(七戸局は未確認)今後は新幹線の0・100系の引退によって印影が変更される局があるかもしれませんが、明らかに同形式とわかるものでなければ変わらないかもしれません。その他にも183(189?)系や小田急NSE車、キハ181系などが図柄となっている印も気になるところです。不意の火災で駅舎が消失してしまった北海道の岩見沢駅を図柄にした岩見沢三条中局などは別の意味で対応が難しいところでしょう。

一方、鉄道のシンボルともいうべき「蒸気機関車」ですが、SLブームの頃もすでに風景印はありましたが、余程の注目がなければSLが図柄の中心になることはなかったようです。しかし蒸機が引退した後は、各地の保存機関車を採用するところが出て来ました。もちろん動態保存が話題となっている土地では蒸気機関車が図柄となっているのはいうまでもありません。(SLばんえつ物語号・真岡鐵道・大井川鐵道・SLやまぐち号など)各地の鉄道記念館や保存館最寄り局も点景や遠景にSLが登場するなど、やはり「汽車」は根強い人気があるようです。そのような地元の名所やシンボルとなった保存蒸機が風景印となっているのは主なところでは北海道の追分局(D51320)、尾道古浜(D51422)、広島瀬野川(D51720)、広島上瀬野(D51720)、青梅勝沼(D51452)、大宮桜木町(D51187)などがありますが、近年の保存機解体の話しを耳にするたびにこういった採用局の図柄が気になります。できうるならばこのジャンルの図柄を持った印がいつまでも変更されずに続いてゆくことを願うばかりです。

風景印の変更にまつわる話はつきませんが、いずれにしても旅と鉄道に関わる風景印の話題もファンにとっては楽しいもので、今後もこのサービスが続けられてゆくことを願うものです。


鉄道関連図柄を採用した風景印のリストを作成してみました。若干のもれや変更などもあるかもしれませんが、基本的に2003年8月現在のものとなっています。

作成基準など

図柄が変更された場合を「図改」、設置局の名称が変更になった場合を「局改」と称しています。

一般の図柄説明に表示されたものだけではなく、説明になくとも背景・点景で明らかに鉄道関連のものがあるものもできるだけ掲載してあります。

図柄内容の説明は掲示されたものではなく、鉄道関連部分のものだけで、備考にその他の図柄について説明してあります。なお鉄道関連部分もわかる範囲で詳細(車両形式や施設の内容など)を記しました。

図柄内容の機関車番号は判明または確実なもののみ掲載、一部を除いて静態保存機です。

記念などの期間限定の特殊風景印は除いてあります。

設置局名は所在がわかりにくいものは「県名」を入れてある場合もあり、風景印の表示と異なる場合もあります。

設置日(使用開始日)はその印影の開始日で、鉄道関連のものではない印が以前に使用されていた場合の旧印のデータは省略してあります。


目次

リスト1・・・蒸気機関車、JRの電車、第三セクター鉄道、路面電車、地下鉄、鉄道碑・動輪・鉄道地図、新幹線

リスト2・・・民鉄(車両・駅・駅前風景)、JRの機関車・気動車・列車、モノレール、国鉄・JR(駅・駅舎・駅前風景)

リスト3・・・鉄道橋、実験線、国鉄(JR)連絡船、その他

◎リストへは「リスト○」(アンダーライン部)をクリックして下さい。

◎参考文献

『新版 風景スタンプ集 戦後編』(友岡正孝編 日本郵趣出版 1994年)、『風景印2000 99年12月末現在』(武田 聡編 株式会社 鳴美 平成11年12月)、その他ー各郵政公社HP、風景印関連HPなど。 トップページへ戻る