鳥居峠を越えてたどり着く宿場 藪原 昭和63年(1988)6月撮影
藪原宿の中心はは中央本線藪原駅のやや奈良井寄りにあるため、駅前は旧中山道ではないので閑散としているが、何軒かの駅前旅館が健在である。宿場は少し北へ戻ったところから始まる。薮原は奈良井宿との間に鳥居峠を控え、また中山道六十九次のちょうど中間にあたり、木曽十一宿の中でも多くの大名などが宿泊したという。ここも何度か多くの大火に見舞われたため、古い建物などはほとんど残っていないが、その中でも貴重な資料を残す宮川家や江戸時代から続く旅籠で最近まで旅館として営業していた「こめや」など宿場時代の面影を残すものが散見される。宿場あとを示す標示柱や説明板もある程度設置されている。
木祖村は観光にも力を入れていて、過去から多くのパンフレットを発行している。その中には中山道や鳥居峠をメインに藪原淑についても必ず記載があるのは嬉しい。最近は「源流の里」を一つのテーマにしているようだ。(観光ポスターにも採用されている)
宿場概要(参考文献・資料より)
江戸時代には尾州領、宿高なし。信濃国筑摩郡 宿内町並み 南北へ五町
天保14年(1843)の人口、1493人(男706人、女787人)、家数266軒
本陣:1軒 上町…寺島氏 脇本陣:1軒 中町…古畑氏 旅籠十軒