JR伊東線の伊東駅の裏手の山を登ったところにある「さつき会館」(旧国鉄時代からの保養所的建物)の入口前に展示されている動輪。周りは他の建物もない山中で伊東駅からかなり山を登ったところにある。
この動輪は形態からしてC57クラスのもので間違いはないが、各所の刻印など機号を示すものは塗装と経年劣化のためかまったく読み取れなかった。ただかつての様子が掲載されているサイトの記録写真によれば動輪の前の石に「C57138」のナンバープレートが埋め込まれているものがあり、確認はとれていないが一応この動輪は138号の動輪ということで表記しています。(以下経歴、エピソードなどの138号機を基本としてあります)
C57138動輪
昭和15年(1940)8月、三菱重工製造(製造番号308)。戦前は西日本に配置されたようだが戦後の10年あまりを宇都宮区で過ごし、東北本線筋で活躍した。その後渡道し小樽築港機関区を経て最後は苗穂区にて昭和47年(1972)8月に廃車となった。苗穂区での仕事は千歳線の補機という本来のC57とはあまり馴染まないものであった。
エピソード
同機のひとつ下の弟機139は名古屋機関区で多数の御召し列車を牽引するなどの名機であり、廃車後も鉄道施設で準鉄道記念物として保存され、現在もJR東海の「リニア・鉄道館」に展示されている。また三つ上の兄機はあの135号機であり、こちらもJR東日本の「鉄道博物館」に保存されている。C57の130番台はこの他各地に動輪が保存されている流転の生涯を送った130号機など話題の多い番台である。