保存動輪 D51864?その2

D51864動輪(推定) 北海道函館市 鉄道会館前に保存 (ひぐま3号様御提供)

「刻印を探しましたが、何故か号機を表すものだけが見えず、昭和38年に釧路工場、45年に苗穂工場で検査を受けた旨の刻印はありました。20年ほど前にはD51864のナンバーが台座に付けられていたのですが今回は見当たらず、撤去されたようです。この864号機、昭和24年から41年までが新得区配置であり釧路工場が検査を受け持ち、41年から岩見沢第一に転属となり45年末に長万部で廃車ですので、検査施工の工場は一応合致しますね。」(ひぐま3号様)


D51864

昭和18年(1943)10月7日、汽車会社製(製造番号2235)。当時日本領土であった樺太の恵須取鉄道(19年買収)向けD511号機として次の865号(D512ー製造番号2331)とともに製造されたもので、準戦時型のグループに属するナンバーながら標準型で製造され当初から密閉式キャブであったとされる。しかしながらこの2両は樺太には送られず北海道内で使用された。 864号は昭和22年に函館におり、その後新得に移り根室本線などで活躍。41年度に岩見沢に移動し最後は長万部区で45年12月に廃車となった。


エピソード

同機のひとつ下の弟・865号は同じく恵須取鉄道用であったがやはり生涯を北海道で過ごした。また二つ上の兄862(実際の竣工日は862は18年11月のため弟になるが)がいる。木曽路で活躍した人気の変形機で今も東京都町田市に保存されている。また864号機のボイラー安全弁には戦時に皇室より下賜された青銅が使用されていた、という特徴もあった。

配置履歴(略)
昭和22年函館ー23函館ー30新得ー32新得ー36新得ー41新得ー42岩見沢ー43長万部ー45長万部

※なお同機の動輪と思われるものは同じ道内の札幌市白石区・JR貨物北海道研修所にも保存されている (画像)が 、あちらのものも台座に「D51864」のプレートが埋込まれてはいるが動輪の刻印は読み取れず同機のものかは確定していない。その他にも同機のものと思われる動輪は富山県福光町にも保存されており、こちらの動輪の刻印もはっきり読み取れないため、果たして864号の別軸のものか別番号機のものかは確定していない。


リストその2へ リストその3へ リストその4へ 型式・番号順リストへ 保存動輪トップへ トップページへ  
『鉄・街・道』掲示板 管理者へメール