青戸の入江での撮影を終えて、次は二駅先の若狭高浜に移動した。9時10分発の西舞鶴行きはこの先快速運転となり、海水浴場に近い片側ホームだけの若狭和田を通過して8分ほどで若狭高浜に到着した。
若狭高浜を発車する972レ
高浜では側線に貨972レが停車していた。さきほど本郷で発車を撮った列車はここでしばらく停車するので効率的だ。構内でスナップしたのち9時54分発車を撮影した。
若狭高浜〜若狭和田を行く客921レ C58223[福]
『高浜では隠れた好撮影地を発見した。そこは高浜駅から和田寄りに約一キロぐらい歩いたtころで、田んぼの中を線路が上り勾配になっていてC58は煙をはくしローカルムードも出る絶好のところだった。』
このあと駅に戻ると貨6975レが到着していた。カマは首都圏でもなじみで七尾を経てやってきたC58212[敦一]で、ここでは珍しい大型前照灯と副灯装備の関東時代(八王子〜高崎一など)でおなじみの装備のまま元気な姿を見せてくれていた。
撮影記より『ところで小浜線はこの9月いっぱい(訪問時からほどなく)で無煙化(DL化)されるのだが、意外とファンの姿が少ないのにはいささか驚いた。二日間ここに来て見かけたSLファンは2〜3人ぐらいのものだった。その中でも七尾線でも見かけた大人3、4人のグループはここでも見かけた。16ミリカメラなどを構えて車で移動していたところをみるとただのファンではないと思っていたら、やはり後日テレビでこの時の模様が放送された。おそらくテレビ局のSL関連の放送クルーだったのだろう』
高浜1157分発の「わかさ2号」で上中へ向かう。前回も乗ったこの列車での再訪となるのだが、本数を稼ぐことに思いがいっていたこの頃では「良い撮影地」より効率を重視することになってしまい、結局この時間で無駄なく蒸機に会えるスケジュールを組むとこうなってしまうのだった。だがこの小浜線の風景はどこをとってもC58に似合っており、今日も同じようにやってきた938レもC58と田園風景の中をゆったりと通り過ぎていった。
前回の938レの画像
しばらくすると先ほど高浜で発車を撮った貨6975レがC58212に牽かれてやってきた。この風景の中を走るのもあとひと月あまりとなってしまう。このあともう一本貨物が来るのでそれを待ち、上中付近での撮影を終える事にした。
前回は小浜まで戻ったが、今日はここでスケジュールが変わり再び若狭本郷まで足を伸ばすことにした。車窓を見ていたら駅の和田側に短いながらも撮りやすそうな橋梁があったのでそこで2本ほど撮影できると思ったからだった。田園風景や海辺、駅構内などは撮影したが「橋を渡る風景」も加わればさらに小浜線のC58の姿を記録できることもちょうど良かった。
これでほぼ今日の予定は終わり、大体満足する撮影ができたと思った。
これでこのC58263号は本郷で972レのスナップと発車を撮ってから、東舞鶴折り返し運用の977レで高浜・上中・大鳥羽と短時間のうちに4回も発車や走行を撮影することができ、小浜線のダイヤがうまく(撮影者にとって)できているものだなあと感じた。
このあとの計画ではこの923レに乗って三駅ほど敦賀方へ戻って三方でまた上りDCに乗り換えることになっていたが、疲れたのかそれは取りやめ、大鳥羽で時間を過ごして966Dを待ち、夜の小浜線を西舞鶴方面へ向かう事にした。これで2日間の小浜線撮影の計画は終わり、この後深夜の乗り継ぎを経て明日はC57やC11の走る播但線を訪問することにした。
※以下「その9」へ なお小浜線を走ったC58の詳細については「若狭路のC58 資料編」もご参照ください。
小浜線(西舞鶴からが下り) 当時の駅名
敦賀ー西敦賀ー粟野ー東美浜ー美浜ー気山ー三方ー藤井ー十村ー大鳥羽ー若狭有田ー上中ー新平野ー東小浜ー小浜ー勢浜ー加斗ー若狭本郷ー若狭和田ー若狭高浜ー三松ー青郷ー松尾寺ー東舞鶴ー(舞鶴線)ー西舞鶴ー真倉ー梅迫ー淵垣ー綾部ー(山陰本線)ー高津ー石原ー福知山
難読駅・・三松(みつまつ)、青郷(あおのごう)、松尾寺(まつのおでら)、梅迫(うめざこ)、石原(いさ)