このカマは今回の撮影行で初めて見たD51の一次形(ナメクジ)で、訪問時にこの線ではナメクジD51が数両配置されていた。酒田区に28、29、36、※63、※74の5両、新津区に75、82の2両(※は一休)の7両である
再び今川方へ戻り、沿線の撮影を再開する。海岸沿いを歩いていると次々に上下の列車がやってくるので決められたポイントで待つ、ということではなく「来たら撮る」と行った感じになってしまったがそれでも煙の饗宴に満足していた。
そして羽越路のスター、二往復の運用に減ってしまったC57の牽く下り客821レがやって来た。新津配置のC57は当時5両で「お目当のトップナンバーが来るかどうか? 先ほど荷2048レは違っていたので確率は1/4だ。」と思いつつ場所を探していたらいきなり猛スピードでやって来た。慌ててシャッターをきったがなんと1号機だった。
この辺りは海岸沿いにせり出した岩礁や岩をトンネルで抜けているので列車がやってくるのに気がつくのが遅れがちになる。次は上り列車だがトンネルを抜けて白煙を盛大に吹き上げてやって来た834レはD51260(酒)だった。なおこの区間はC57が牽引する二往復(荷レも含む)以外の普通客車列車はほとんどD51の牽引(一部DD51)となっていた
ここは「笹川流れ」を代表する撮影地点で、バックに日本海、手前に漁村があり遠くの岩山からトンネルと抜けてカーブをやってくる列車を撮影できるところであった。上り貨レ D51104(酒)
長かった「笹川流れ」沿線での撮影もひと段落し、桑川駅へ戻る。あまりいいアングルのものは撮れなかったがともかく本数は多くこの時はそれだけで十分満足していた。駅へ戻るとまだ二、三本蒸機に会えそうだ。
これでほぼ今日の撮影は終わり、と帰りの列車を待っていたら上りの貨物列車が入ってきた。もう十分撮り終えたので「とりあえず一枚スナップしておくかな」とシャッターを切ったものだったが、今思うとこの機関車こそ今日本を代表する動態保存機・D51498だった。偶然の出会いだったがやはり撮っておいて良かったと思う。同機は当時は新津区にあって多くの仲間達と黙々と毎日の仕事をこなしていた一両だったが、機関車の運命というのもわからないものだ。
この後どの列車で帰ったかは思い出せない。ともかく新発田へ戻りもう一泊して明日は新津へ出てさらに会津方面へ行こうか、などと考えていた。坂町区
D51‥‥★735・1005・1100・1154
9600‥‥★29622・★※39685・49681・59661・59663・69633・69677・※79633
酒田区(9600を除く)
D51‥‥28、29、○36、※63、※74、88、★101、104、110、142、180、★260、★270、292、★324、396、431、★502、★513、※546、※547、648、681、★724、766、○767、852、★853、907、932、○1002、※1046、1065、1099、○1133
新津区(C11・9600を除く)
D51‥‥★75、82、○135、331、443、★498、★512、★609、○611、784、★1001、1030、1031、1049、1060、1107
C57‥‥★1、★19、103、167、○※181
訪問時点に一番近い配置表によるものですので、若干の食い違いがあるかもしれません。★印は廃車後(または他地区転出後に廃車)静態保存されたもの。保存後に解体されてしまったものも含みます。(D51324、1001など)○は動輪が保存されているもの