七尾線の蒸気機関車撮影旅の途中、羽咋での待ち合わせ時間にこの駅に乗り入れていた北陸鉄道能登線の車両たちに出会いました。この線は羽咋から三明まで伸びていた非電化のローカル線で、訪問の翌年の6月に廃線になってしまいました。乗車や沿線の訪問などは考えもしなかったのは残念ですが、羽咋には車庫もあり多くの車両に出会えたのは幸いでした。ホームからのスナップだけですが、当時の車両はこの二年前(1969)から1両の機関車と5形式7両のディーゼルカーで運行されており、あとで調べてみたら、このスナップで全ての現有車両が写っていたのでした。
能登線は国鉄の隣に島式ホーム一本で二線を持っていました。番線は国鉄七尾線からの通しで「4・5」番線となっており、撮影時には4番線にキハ5251、5番線にはキハ5212が入っていました。
このキハ5251は端面が半流線型を描く元国鉄のキハ0731でかつての機械式気動車として活躍していたものです。当線廃止後は関東鉄道に譲渡されキハ614となりましたが、あまり活躍しないまま廃車解体されました。ちょうど10番違いのキハ0741号が九州鉄道記念館に保存されています。
5番線のキハ5212は元国鉄のキハ046で、当線廃止後は関東鉄道に移動しキハ462となりその後廃車ー解体され現存しない。
キハ5201は元国鉄のキハ41043。妻面にバケットが新設されているが映っているのは設けられていない反対側。
車庫の奥の方にいたキハ5213と番号が良く読み取れないがおそらくキハ5211だと思う。 キハ5210形は5211から5213の3両がおり、ともに元国鉄キハ04を出自とする。5211がキハ048、5212がキハ046、5213がキハ041で5211と5212は廃線後関東鉄道(のち筑波鉄道)に譲渡されて活躍した。このうちキハ461となったキハ5211は地元での保存を経て、現在は大宮の鉄道博物館に「キハ048」に復元されて保存されている。トップナンバーだったキハ5213はここで廃車後、民間に譲渡されたが現存しない。
キハ5301は昭和32年(1957)製造の比較的若い車両だが、前面にバケットが装備されているのが特徴で、その他は張り上げ屋根や総括制御など新鋭の設備を持っていた。この車両も廃線後、筑波鉄道に譲渡されキハ541となって活躍した。