惜別 交通博物館 8 最後の賑わい

D51に付けられた「はと」のさよならヘッドマーク

ついに閉館まで一ヶ月をきったある日にまた訪問した。平日にもかかわらず多くの人たちが詰めかけていた。多くは遺構見学がお目当てなのだろうが、それも常時予約も満員の盛況のようだった。いつも見慣れたいろいろな展示物を眺め、ボタンを押して動くのを楽しみ、模型運転に集まった子供達の歓声を聞く事がこの都心の空間で味わえるのもあとわずかになってしまったと思うとやはり一抹の寂しさを感じる。
それでもC57などの車両には「さようなら交通博」を文字の入ったヘッドマークが付けられ、館の人たちの心づくしのいろいろなお別れイベントが催されに賑わっている情景を目にすると「やはり乗り物をみんな好きなんだなあ・・」と改めて思う。ちょっと古ぼけてはいるけどあの頃と同じ懐かしい展示物がいまも飾られそして眺め動かすことの出来る幸せをかみしめながらあと一月あまりになった館内を見て回った。


 
1号機・C57にはそれぞれ往年の名特急列車のヘッドマークに「さよなら交通博(物館)」をアレンジしたものが取付られた。

「さよなら」のパンフレットの文字はよく見るといろいろな乗り物や博物館の展示物を描いていてこんなところにも最後を彩る工夫がされているのだなあと思った。

 
館外のD51は特急「はと」、167系は中央線急行タイプのヘッドマークをアレンジ。

館内スタンプラリー

 
スタンプの台紙と館内に設置されたスタンプ台
 
窓外を行く201系を見つつ展示物などにちなんだスタンプを押してゆく
 
商品のファイルは良い思い出になるだろう

思い出を手元に

売店はいつにもまして繁盛していた、閉館記念グッズも多種多様。
 
記念グッズの案内パンフレット 包装袋の「交博坊や?」も名残りだ
 
手作りで少量なのかちょっとお高いものもあるが見るぶんには楽しいものも

売店に並べられたいろいろな見学記念品もあらためて見るといろいろなものがあった。最近のミュージアムなどの本格的な売店に比べれば狭いスペースだが鉄道ものを中心に見ていて楽しく心暖まる雰囲気があった。最終月間に入り「閉館記念限定商品」も数多く並べられ、何を購入しようか迷うほどである。中には「ん?」と思わせるような高額なものもあるがそろぞれに思い入れのあるグッズを何か見つけて「神田にあった(乗り物好き)鉄道少年たちの憧れの場所」を記憶に留めておきたい。

交通博物館 閉館記念 特別限定商品リスト(パンフレット掲載のもの)
建物模型 35000円、旧万世橋駅名標キーホルダー 600円、1号機関車ネクタイピン 3000円
1号機関車ペーパーウェイト 4000円、交通博物館所蔵車両ピンバッジセット 3500円
交通博物館玄関模型 2000円、交通博物館 ペナント 1200円
閉館記念カレンダー2006.5〜2007.10 3000円、パノラマ鉄道模型運転場ジグゾーパズル 3800円
さようなら交通博物館オリジナルDVD 9800円、さようなら交通博物館写真つき切手シート 3150円

 

ここに交通博物館ありき

 

ついに秋葉原駅のスタンプからも「交通博物館」の文字が消え、「IT」が主役になった。しかし「万世橋」の名は残り、この駅を降りて通った「交通博物館」の名は多くの人の記憶にいつまでも残っていくことだろう。

さようなら交通博物館

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