洗馬宿400年の日

洗馬宿は他の中山道宿場としては街道開設当初は牛首峠越えであったため開設が遅れ、この小野宿回りからの道筋変更により1614年に塩尻・本山宿などともに開設された。平成26年(2014)にはその開設400年を記念していろいろな催し物が企画され、特に10月25日は「洗馬宿の日」としていろいなイベントも開催された。

宿場内の各所に設置された「400年」の説明板、新しい高札風の標識が目立っていた
 
今井兼平の洗馬図のイラストが入った洗馬宿歴史同好会の幟も立っていた 塩尻駅前にも今日の「洗馬宿の日」のお知らせ高札が
宿場の名物として伝えられていた「洗馬煮」(洗馬汁)が地元の人たちによって再現され、ふるまわれた

※「洗馬煮」はこの洗馬宿周辺で宿場時代の名物として知られ、「せんば煮」とも呼ばれていた。越後方面から送られてきた塩漬けの魚をかつお出汁で煮込んだもので、「洗馬煮は木曽山中洗馬駅に起こる…」との記述もあるらしいものだったが、明治以降はすたれてしまっていた。それを地元の同好会の方々が資料を集めたりして調理、試食を繰り返し「新・洗馬煮」を再現、この400年イベントでふるまわれた。いただいた洗馬煮は甘塩鮭と大根、ゴボウなどの根菜類をかつお、昆布だしで煮込んだ汁風のもので、あっさりとしていて美味しかった。


 
公民館の前では「洗馬煮」のふるまいや観光案内も行われていた 右は「宿場400年」の幕

かつては洗馬宿の本陣・脇本陣の敷地内であり、その後は「洗馬学校」が建っていた「宗賀農林漁業体験実習館(公民館)」がこの日のイベントの中心となり、街道前では洗馬汁のサービスや案内、館内では洗馬宿の資料などが展示され、普段ではあまり見られない洗馬宿の歴史や宿場資料を見る事が出来た。

館内には洗馬宿の新旧の位置を示した地図などもあり、興味をそそられた
 
この公民館の場所にかつてあった明治建築の「洗馬学校」の校額 旅籠に下げられていた看板なども展示された。普段見られない貴重なものである

街道交流事業実行委員会による「塩尻四宿400年」記念のスタンプラリー台紙の表紙
 
ラリーのスタンプは洗馬宿の問屋の判印をモデルにしたもので、なかなか趣向を凝らしたものだった。問屋の判印というものが残っているのも貴重なもので、こういった資料がスタンプに使われたのも記念行事ならではのことだろう。
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