洗馬宿 今昔の風景

※洗馬宿は過去に何回か訪問しているが、ここで1986年(昭和61)・1989年(平成元)と2014年(平成26)の約25年の洗馬駅と宿場風景の変化を比較してみよう。以下特記がない場合、古い方が1986年、新しい方が2014年の状況である。

 
左:1986年の洗馬駅舎 右:2014年の洗馬駅舎

1909年(明治42)開業当時の駅舎がほぼそのままの形でいまも健在である。基本的な造りは変わっておらず、手入れも行き届いている。1986年当時は無人化されて6年後だったが、今と比較してもきれいに見える。駅前広場の殺風景さも変わらないが、2014年には少し草花や木々が植えられて彩りを添えていた。

 
左:1986年の1番ホームから 右:2014年

駅舎に接している1番ホーム側。出入口脇の壁に掲示されていた昔風の駅名標はなくなり、JR東海仕様の駅付近の名所案内が掲示されている。名所の「平出遺跡」「言い成り地蔵」だけではなく、追分や太田の清水も加えてほしいところ。室内はサッシも替えられ明るい雰囲気の待合室になっている

上:1989年の駅舎正面 下:2014年

駅舎正面 達筆で書かれた「洗馬驛」の駅名標をはじめ、基本的なところはほとんど変わっていない。さすがに木造で腐食が進んだ窓枠などはサッシ類に取り替えられているが、年季の入った柱や屋根など、開業当時から洗馬を行く列車や乗り降りする人々を見守って来た風格が漂っている。無人駅になってからも地元の方々の管理や清掃が行き届いている幸せな駅であろう。(この画像の古い方は1989年ー平成元年)


 
宿場江戸方 追分付近 左:1989年、右:2014年

町並みの風景はやや変わった。両側の古い建物のいくつかは消えて新しいものになり、右側の「中山道洗馬宿名物 おやき」の看板を出していた商店は普通の住宅になっていた。道のカーブや追分の道標のあたりの交通標識の位置が替わっていないのでここを目安にした。


宿場江戸方 洗馬駅入口付近の通りの江戸方をみる 上:1986年 下:2014年

横断歩道や洗馬駅入口のバス停標示(松本電鉄バスからコミュニティバスに代わっているが),その横の石造り塀の民家が定点になった。宿場時代のものではないが、古い造りの民家が連なる風景が一部変わっている。この写真に見られる1986年には五軒だった家々が2014年には二軒になってしまっている。中央の一番重厚な家とその前の家は残っていて形態もさほど変化していないが、石塀横の家は解体されて空き地?になり、奥の二軒は建て替えられている。

 
宿場中央から本山宿方向を見る 左:1989年 右:2014年

1989年と2014年の比較。季節や天候も違うので全体の明るさで印象がかわり異なるが、基本的な風景は変わっていない。左側の火の見やぐらや交通標識の位置が変わらないので比較も容易だった。変わったところは側溝に蓋がされ、商店名などが入った街灯がなくなっているぐらいだろうか。


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