JR上越線・両毛線の新前橋駅から徒歩約10分ほどのところ(上越線と両毛線が分岐するあたり)の個人宅の前にスペースが設けられ、寄贈されたC58型の動輪と説明板などが設置されている。また動輪の前の柵には保存会によるこの展示と前橋ステーションの歴史が書かれたパンフレットが置かれている
前橋ステーションの歴史などが書かれた説明板。またこの動輪の後ろには昔の蒸機の走る周辺のイメージイラストと、この場所の地図が掲示されている
この動輪はかつて福島県三春町に静態保存されていたものが老朽化のため維持が困難になり解体されたものを一部が保存地に残され、この第2動輪が寄贈によってここにやってきた。なおいまこの近くを走っている両毛線にもかつてはこの動輪と同形式のC58型が運用されていたため、モニュメントにふさわしいものであろう。また設置場所周辺は場所は明治17年(1884)に最初の前橋駅が日本鉄道により設置されたところで、その後延伸された現在の場所に前橋駅が移動したため駅は廃止された。その歴史を記録しるため地元の保存会が駅跡の所有者に敷地を提供していただき鉄道の象徴でもある蒸気機関車の動輪の寄贈をうけて駅跡を示すモニュメントを作製し、平成27年(2015)11月に完成し公開されたとのことである。
動輪のある場所の交差点の向いにはこの「前橋ステーション」があったことを示す(この前橋駅は別名『内藤分ステーション』とも呼ばれた)石碑や機関車のイラストが彫られた標示などが建てられている。
C58328
C58328 昭和17年(1942)5月、汽車会社製、製造番号2180。当初は関西地区に配属され和歌山区などを経て昭和47年(1972)小牛田区に移動、陸羽東線で活躍。最後は会津若松区で入換仕業につき、昭和50年(1970)1月に廃車となった。廃車後は福島県に三春町で静態保存されていたが近年老朽化、維持が困難ということで解体された。
エピソード
同機の前後の兄弟機はいずれも解体されて残っていない。また320番台でみてみると、当初静態保存されたものが3両あった。しかし静岡県三島市の322号を除くとこの328号と石川県に保存された325号はその後解体されてしまった。ただどちらも動輪など一部が保存され、その記憶を留めている。また四国鉄道村には321号の動輪が保存展示されている。また328号の別の動輪も、かつて保存されていた会社の敷地内に一部部品とともに展示されている。兄弟機のC58322号は地元の方の整備がなされておりきれいな姿で現在も展示中。画像はこちら。