保存動輪 D51435 その2 

D51435動輪 広島県三次市 ほしはらやまの学校(旧市立上田小学校跡)に保存 KOBA鉄様御提供(2枚共)

この場所は2003年(平成15年)に閉校した旧三次市立上田小学校の跡地に開設された「自然体験型施設」



立派な説明板で「碑」とも言えそう  「母校創立100周年」を記念して設置された

内容は「国鉄蒸気機関車の歩み」に重点が置かれ、簡単ながら歴史を振り返っている。435号に関しては簡単な略歴のみ


説明板への疑問

この碑文での気になるところはこの動輪の主とされるD51435の履歴で、廃車年月日が6日ほど異なる。ただ大須山に置いてあるもう一つの435号と思われる動輪の活躍履歴(名古屋、米原付近の東海道本線や山陽本線、呉線など)と異なりこちらは「稲沢・会津若松・長門)となっており比較的正確である


もう一つの435号(と思われる)動輪の画像はこちら


D51435

昭和15年9月25日、日本車両製造(製造番号810)。新製後福島に配置、東北本線を中心に働く。30年代後半に磐越西線管理所(→会津若松)に転じ、磐越西線を新たな職場とする。昭和47年10月の同線の無煙化(貨物運用で残っていた仕業)に伴い、僚機238とともに中津川(岐阜県)に移動し、中央西線の無煙化(電化)までのわずかな間木曽路で活躍した。その後さらに西の山口県長門区へ転属し本州最後のD51活躍線区となった山陰本線で働き49年3月1日、同区にて廃車となった。

主な配置履歴

昭16福島 22福島 23福島 30福島一 32福島一 36福島 42磐西管 43磐西管 45会津若松 46会津若松 47会津若松 48中津川〜長門 49年3月1日長門区廃車×  ※磐西管=磐越西線管理所(会津若松)


エピソード 会津最後の3両のD51

同機の前後のナンバー機はいずれも解体されて現存しない。同機のエピソードといえばいま「SLばんえつ物語号」が走っている磐越西線で現役最後のD51となった3両の仲間についてであろう。47年10月に新津〜会津若松の蒸機の仕業(日中線と野沢までのC11の運用は除く)が無煙化された際に運用についていた若松区のD51は、238・435・1108の3両だった。 各機のその後は1108が廃車となり仙台市に静態保存(のち利府市の仙台総合車両所に移設も近年解体)、238と435は中津川区へ移動し、木曽路の電化まで一年弱ともに働いた。238はこの電化で廃車となり沿線の木祖村(藪原)に保存された。最後に残った435はさらに働き場所を与えられ、西日本の長門区で山陰本線で本州最後のD51走行区間で活躍し、ここで廃車になった。この3両が435は動輪だけだがいずれも現在その姿を見られるのはまさに「会津魂」のこもったD51の力なのだろうか。


現役時代のD51435

中央西線で上り貨物列車を牽く435号 坂下駅にて 昭和48年5月

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