小海線1971年 その2  昭和46年3月

駅名標をバックに一休みのC56

野辺山駅にて

国鉄最高所駅である野辺山も一度は訪問しておきたかった駅だ。それもC56の牽く列車で、ともなれば最高の気持ちである。乗客を降ろし午後の上りまでお休みとなる3両の客車を転線して留置させるとC56149はホッと一息付いたように側線でひとやすみする。一緒に乗って来た私たちファンも数はそれほどでもなかったので思い思いのスタイルでそのC56をのんびりスナップしていた。高原の朝の爽やかな空気を吸いながらかすかに漂う蒸気と煙のにおいを楽しむ、そして目の前にはC56が・・・。もうブームのさなかで殺伐とした雰囲気を予想していたものにとってはこののんびりとした情景が何ともたまらなく嬉しかった。

 
白樺の木と最高駅の標示・駅名標    C56は3番線に客車を押し込みました

朝の仕事を終えたC56149[込]
   
独特のテンダも魅力的         野辺山の駅スタンプにも登場したC56

さてスナップもすんだのでこれからどうするか?だが、まずは7時頃発車する単機回送を撮影することにした。「八ヶ岳スケート号」を牽いてきたC56は客車を野辺山に置くと自らは水と石炭を補給しに寝ぐらの中込へと単機で帰ってゆくことになっていた。(もっとも上りを同じカマが担当するわけではないが)しかしなぜかこの列車は当時の「撮影地ガイド」のダイヤには掲載されていない場合が多かった。スケート(高原)号のスジは入っているのだが、普通だとこのままC56は野辺山に午後まで滞留するように見えるので「変だな?」とは思っていたのだが現地で確認してみると延々中込まで機関車を回送していたわけであった。ならばもっと運転区間を延長してもいいのではと考えたのだが、まあこのあたりは需要などの問題もあるのだろう。

C56が発車準備に入ったようなので、私たちは信濃川上方へ少し歩いたところで待つことにした。単機だから正面がちが良いと思いカメラを構えたが、ちょうど太陽が真向かいに来たので何かぼんやりとした感じになってしまったのは残念だった。ただ後追いで切った一枚は高原をポコポコ走ってゆくC56単機の様子が出せたかな、とも思った。

中込へ帰ってゆく単9131レ

駅へ戻り次は貨物を追い掛けようということだったが、臨時列車運転の日は一部の貨物が運休になるのを知らなかったので、駅でこのことを知るとこの後考えていた貨193レなどの撮影も変更しなけらばならなくなってしまった。こうなればやはり機関区訪問である。中込へ行けば何両かのC56に会えるだろうと思い、後続のディーゼルカーに乗り込み、野辺山を後にした。

野辺山07:58ー1231D長野行→中込09:21
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