街道歩きや宿場めぐりをしていると、その土地の名産や名物にちなんだものをよく見かけます。その中で私が気づいたのが、かつての宿場内にある和菓子屋さんなどで販売されている「宿場にちなんだ」色々なお菓子です。それは必ずしもその土地や宿場の名物や物産では限りませんが、このページ(中山道編)ではあえて商品名、パッケージ、包装などに「街道」「中山道」「〇〇宿」などの名前が入った銘菓を集めてみました。
ここに紹介したものはかならずしもその土地や宿場時代からの名物を原料にしたり、名産を使ったりしているものではなくても原則としてその宿場の名前を商品名にしたもの(銘菓「〇〇宿」など)、包装紙などのどこかに街道名や宿場名が表記されているものが中心です。(現在は販売されていないもの、またお店がなくなってしまったものも含まれています。)
栗が名産の中津川宿ではやはり栗を使った和菓子が今も名産でお店も多数あります。一方中山道や中津川宿関連の主なものでは信玄堂の「ふるさと木曽路銘菓 中山道」、和洋菓子の店『柿の木』の「中山道の石畳かすてぃら」(石畳をイメージを渋栗を敷き詰め表現したバターケーキ)、川上屋の「中仙道 膝栗毛」(大きな栗が丸ごと入っているお菓子。)などがあります。また中津川観光協会が販売する「中山道中津川宿 和宮道中和菓子」は年一回、和宮様が中津川宿にお泊まりになった日(10月29日‥‥旧暦)に限り販売される和菓子で美しい和菓子のセットです。
「川上屋 中仙道膝栗毛」包装紙を広げると旅人の道中姿のイラストになっていました。大きな栗がまるごと入っています。
「中山道の石畳クランチチョコ」、「本陣どら焼き」、「御嵩宿銘菓 才蔵どら」などが宿内の『長春堂』や『御嵩宿わいわい館』などで販売されています。
鵜沼駅近くの「御菓子司 大島屋」で「宿場の灯火(ともしび)」というお菓子が販売されています。包装に中山道 宿場の灯火(ともしび)」と記されており、菓子本体にも「UNUMA」の焼印が押してあります。
岐阜駅前にあった70年の歴史のある和菓子屋さん『香梅』ですが、惜しまれながら2020年5月末をもって閉業してしまいました。店舗の前に「ここは中山道 加納宿」と書かれた石柱を建てるなど、地元への愛着溢れるお店でした。そして包装に「中山道」を入れた「栗日記」、宿場のイラストの入った「ここは中山道加納宿」というお菓子も販売していました。
河渡宿内はほほ住宅地になっていてお菓子屋さんなどもありません。銘菓も宿場名にちなんだものもないので、和菓子ではありませんが特別に付近の長良川の特産・鮎を煮付けたものに「河渡宿」の名前があったのでご紹介しておきます。
赤坂宿の通りにある『金生堂』さんには「中山道 赤坂宿」があります。バター生地+洋酒づけのフルーツあんの変わった味がします。包装のバック図柄は付近を流れる杭瀬川でしょうか。
この他にも赤坂宿の菓子として、石井製菓の「中山道 赤坂五七饅頭」、大垣市の『味匠いしい』(昼飯町)に「西美濃勝山中山道赤坂宿」(どら焼き)などがあります。
JR垂井駅に近い和菓子屋「みどりや』では垂井宿や中山道の文字が入ったお菓子を販売しています。
商品に描かれている大八車の焼印は嘉永二年(1849)、五街道中初めて垂井宿に大八車の使用が認められたことにちなんだもののようです
この他に「中山道 不破の路」(以前は「中山道 不破の道」)の包装だった商品もありましたが今は販売していないそうです。(画像は次の関ヶ原宿で紹介)
今は変わってしまいましたが、前述した垂井宿の『みどりや』が販売していた「中山道 不破の道」の以前の包装の中に「五十七次垂井宿」を左に「五十八次関ヶ原宿」を右に入れた文字のものを使用していました。