街道歩きや宿場めぐりをしていると、その土地の名産や名物にちなんだものをよく見かけます。その中で私が気づいたのが、かつての宿場内にある和菓子屋さんなどで販売されている「宿場にちなんだ」色々なお菓子です。それは必ずしもその土地や宿場の名物や物産では限りませんが、このページ(中山道編)ではあえて商品名、パッケージ、包装などに「街道」「中山道」「〇〇宿」などの名前が入った銘菓を集めてみました。
ここに紹介したものはかならずしもその土地や宿場時代からの名物を原料にしたり、名産を使ったりしているものではなくても原則としてその宿場の名前を商品名にしたもの(銘菓「〇〇宿」など)、包装紙などのどこかに街道名や宿場名が表記されているものが中心です。(現在は販売されていないもの、またお店がなくなってしまったものも含まれています。)
近江路に入って最初の宿、柏原には『仁木製菓』などの和菓子屋さんがあり、宿場内から少し外れた街角にあるこの小さな和菓子屋さんにはズバリ「中山道 柏原宿」という和菓子があります。包装は伊吹山を背景に宿場の民家を描いた素朴なもの
柏原宿には長岡にある「じょうきや」さんが製造・販売している「中山道柏原宿銘菓 寝物語」もある
11月上旬から4月上旬までの季節販売 メレンゲとアーモンドパウダーを使ったふんわりとした味わいで、包装に「中山道柏原宿銘菓」の文字が入っている
「寝物語の里」は東海道本線の関ヶ原と柏原の間にあり、中山道の宿場で言うと関ヶ原宿の次の宿・今須宿と柏原宿の間にあったとされ、美濃国と近江国の国境となっていた。もちろん今も岐阜県と滋賀県の県境である。「じょうきや」さんがあるのは滋賀県に入った柏原の一つ先、近江長岡駅の近くになる。醒ヶ井宿には「醒ヶ井もち」という宿場時代からの名物があり、一時途絶えていたのを復刻して販売しているそうです。 現在は宿内にある和菓子屋『丁子屋』さん他で販売されています。
長谷川伸の「番場の忠太郎」でおなじみの番場宿(仮想のものですが)にちなんだお菓子です。番場宿内にお店はなく、 こちらの菓子は前述した醒ヶ井宿の丁子屋などで販売されています。
愛知川宿内にある老舗の和菓子屋『しろ平老舗』(岩佐四良兵衛)さんが販売しているもので、2000年頃から中山道開闢四百年を記念して作られたものです。
この他愛知川宿のある愛荘町にはいくつかの和菓子屋さんがあり、菓匠・吉福庵さんではずばり「中山道」といういもきんつばが販売されています。また「宿場最中」もあります。惜しむらくは放送などに「愛知川宿」の名前などが入っていないことでしょうか。
愛荘町では愛知川宿を「中山道66番目の宿」と表記している場合がありますが、これは江戸日本橋を1宿目としているからです。
武佐宿をイメージした和菓子などはないようですが、武佐宿と守山宿の間にある鏡の里はかつての東山道の「鏡宿」のあったところとされ、中山道の時代には間の宿あるいは立場として宿場ではないものの旅人の休憩地となっていました。その名前にちなんだ菓子が竜王町の正栄堂さんで製造・販売されている。「近江銘菓 中仙道 鏡の宿」というもので、中山道沿いからはやや離れた場所にあるお店ですが、武佐宿を代表する銘菓として紹介しておきます。
守山宿の『田中弥菓舗』さんの「中山道守山宿もなか」。最中の表面の文字が鮮やかです。また包装に街道の絵図風のものが描かれています。この他にも「中山道守山宿せんべい」も宿場菓子として販売されています。
草津宿は街道時代から今に続く名物「姥ヶ餅」を外すわけにはいきません。宿場名などは入っていないもののやはり紹介しておかないといけませんね、とりあえずいまのお店の画像を。