実質上の東京都電最後の日といえる昭和47年(1972)11月11日のスナップです。当日は土曜日で下町から一斉に姿を消す都電を見るのは堪え難く我慢して家にいたのですが、やはりせめて最後の姿はカメラに収めたいと思い直しカメラを片手に出かけたのでした。しかし当時のメモなども残っておらず、錦糸堀まで行って装飾電車を撮影したのは覚えていますがそれ以外はどのようなコースをたどったのか思い出せません。ただ何十年ぶりかで見にくかったネガをパソコンで救済してみれば、どうも門前仲町などでもシャッターを押していたようです。ここに掲載した写真はネガカラーで何とか見られるもののみで、借りてきたストロボの調子が悪くほとんどのコマはアンダーになっていました。
今年もまたこの日がやってきましたので、あらためて記憶を整理してみたところおおまかな行動記録が判明しましたので再度整理してこの日のスナップをアップいたしました。
※方向幕はすでに折り返しの「錦糸町駅」になっている
高田馬場から地下鉄東西線で28系統が通る日本橋からひとつ目の「茅場町」で降り、まずは最後まで残った都心の都電の風景をスナップすることにした。
さらに28系統沿いに東陽六丁目あたり(電停は洲崎前後)に移動する。門前仲町からは38系統が入り、東陽公園まで同じ道を走っていた。
28系統沿いに撮影をする。下町・木場らしい運河を渡る風景も今日で見納め、行き当たりばったりのようだが電車は絶えず走ってくるのでできるだけいろいろな沿線の「今日の情景」を目に焼きつけておきたかったのかもしれない。もちろん撮影スケジュールなどは考えていなかった。