本山宿 その4

鉄道の旅 本山宿

本山宿への入口駅 中央本線日出塩駅 2014年撮影

汽車旅で訪ねる本山宿は、中央西線日出塩駅が玄関駅となる。駅は宿場から少し離れた日出塩地区に設けられていて、駅を出てゆるやかな坂を下るとすぐに旧中山道に出る


 
左:かつて日出塩駅1番ホームにあった「本山宿」の案内板(1988年撮影)  右:現在は案内板は消え新しい駅名標だけが建っている

日出塩駅の一番ホームの贄川寄りには高札風の「中山道・本山宿」の案内板が、また二番ホームには「これより南木曾路の碑・下車駅」の標柱が建っていたがいずれも今は撤去されてなくなっている。

 
左:駅の正面入口からすぐホームに続いている  右:相対式のホーム 昔からの待合室は健在

日出塩駅は隣の洗馬駅から3年ほど遅れた大正2年(1913)9月10日に信号場として開設された。その後大正15年(1926)年12月21日、駅に格上げされた。一時貨物営業もしたが昭和30年代以降はほぼ旅客扱いのみであり、早くに無人駅となって小さいながらあった木造駅舎も近年取り壊され、改札のない簡単な待合室のみになってしまった。現在はJR東海に所属している。一日の乗り降りする人も20人前後の静かな駅である。

 
左:「中山道」のオレンジカードに本山宿の名も 右:313系の下り電車がやってきた

日出塩駅に停車する列車は今も昔も普通列車のみである。昭和46年始めまでは蒸気機関車(D51)の牽く客車列車が駅を発着していた。その後客車列車はディーゼル機関車牽引となったが、昭和48年(1973)6月の中津川ー塩尻間の電化完成により一往復を除いて電車化された。80系や113系などを経てしばらくは元急行型の165系などが中心となって短編成ながら運用されてきた。現在はJR東海の313系などが日中は主に2両でワンマン運転の列車が日出塩駅にやってくる。


 
中山道から「日出塩駅入口」の表示を見て左折すると坂道を登ってすぐ駅がある 右:私製駅スタンプを作ってみた

駅を出て短い坂道を下るとすぐ旧中山道に出る(上記の案内がある)。ここを左折して二分ほど歩くと塩尻市の「すてっぷくん」の「日出塩上」バス停がありまた右折して1分ほどで「長泉前」バス停もある。さらに少し歩くと一里塚跡があり、 中央線を越して20分ほど歩けば(またはバスで5分ほど)本山宿である。


中央西線には貨物列車も走っている。日出塩を通過するEF64の牽く下り貨物列車を上り電車内からスナップ
日出塩ー洗馬間を走る211系の下り普通電車(塩尻行のバス車窓から)

本山宿 いろいろ

「そばの里」で購入した宗賀小学校の記念はがきセットにも本山宿の画が
国鉄(JR)バス記念乗車券「中山道シリーズ」80-9発行 現在の姿は「本山宿と中山道」
 
広重の本山宿の画はいろいろなところで使われている これは川越の和菓子の包装のもの 石碑にも

 
京方の外れの「本山宿」の標示を過ぎるといよいよ中山道も木曽路へと向かってゆく

宿場概要ほか

◇代表訪宿年月日昭和61年(1986)6月19日ほか※他にもあり、平成7年(1995)10月20日(本山そばの里訪問など)2014年11月14日ほか


◇最寄り交通機関(宿場中央まで)JR東海 中央本線 日出塩駅から 徒歩約13分


※バスの運行・停留所名など

現在、塩尻市のコミュニティ(地域振興)バス「すてっぷくん」の楢川線、宗賀線などの便が主に塩尻駅から洗馬ー本山ー贄川ー奈良井あたりを結んで運行している。本数はあまり多くないが日出塩駅近くも通るので時間があえば利用できる。日出塩駅からは日出塩上(贄川寄り)、長泉院前(本山寄り)どちらのバス停も徒歩約1〜3分ほど ※宿場内の主なバス停(洗馬方から) 旧宗賀南部保育園前ー本山下町ー権現入口ー本山仲町ー本山上町 ※なおJR日出塩駅最寄りのバス停は長泉院前もしくは日出塩上になる


※高速バス…新宿高速バスターミナルから中央高速経由で木曽福島まで一日一往復運行している便が本山宿の近くを通る。なお最寄りバス停はバイパス上にある「本山宿」

◇駅スタンプ…現在は無人駅のため、なし。かつては「これより南木曽路」の碑が図柄のものがあった
DISCOVER・JAPAN時代…なし

 「私の旅」スタンプ時代…なし


◇駅入場券…現在はなし


記念乗車券・入場券・オレンジカードなどの有無(特に宿場関連)… 

現在はなし


◇代表郵便局名 なし

※宿内や日出塩駅周辺に郵便局はなく、一番近いのは隣の洗馬局になる


◇各宿場施設の状況
本陣跡の有無…あり 小林氏宅 碑と案内板が建っている。広重の画を彫ったものなど ※当時の建物は焼失したが、その後明治13年に明治天皇御巡幸の際に宿舎として建てられたものが建っている。(昭和50年に一部改築・復元)これは大きな雀躍りをあげた独特の本棟造りの変形であり、本陣の建造物ではないが味わいのあるものになっている。

脇本陣跡の有無…なし 跡は本山公民館になり、跡を示す標示がある


問屋場跡の有無…下問屋:本陣小林氏が兼務 上問屋:脇本陣花村氏が兼務


高札場跡の有無…  


◇古い建物・町並みの保存度…(S・AーE) A 

◇その他の街道・宿場としての見所

@本山から贄川よりに行った桜沢にある「これより南木曾路」の碑 A「本山そばの里」


◇広重.英泉の「木曽街道六十九次」の図柄…広重「木曽海道六拾九次之内 本山」


◇観光パンフレット・宿場案内の地図などの有無

@現在は塩尻市の観光パンフレットに「中山道の宿場」として必ず紹介されている。



現在のもの

@「信州 塩尻の旅」A4…表紙は奈良井宿の町並み写真。宿場に関しては奈良井宿、次ページ見開きで中山道・善光寺街道・三州街道を紹介 その中に本山宿もあり、広重の画と町並みの写真が掲載。

A「塩尻着、街道ロマン探訪の旅」A4…表紙は奈良井宿の町並み写真。裏表紙が「桔梗ヶ原で楽しむワイン」となっていて街道とワインの紹介主体のものになっている。内部は大きな観光マップで、街道紹介部分は「歴史と文化が交差する 宿場町探訪」と題して奈良井宿・木曽平沢を中心に郷原・塩尻・洗馬・本山・贄川の各宿場も簡単に紹介している。

B本山宿単独のものとしては主に「本山そばの里」を紹介したものがいくつかある。


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※「汽車旅 中山道」はまだ製作途中です。他宿場へのリンクはまだ一部をのぞいて開通していません。
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