汽車旅で訪ねる本山宿は、中央西線日出塩駅が玄関駅となる。駅は宿場から少し離れた日出塩地区に設けられていて、駅を出てゆるやかな坂を下るとすぐに旧中山道に出る
日出塩駅の一番ホームの贄川寄りには高札風の「中山道・本山宿」の案内板が、また二番ホームには「これより南木曾路の碑・下車駅」の標柱が建っていたがいずれも今は撤去されてなくなっている。
日出塩駅は隣の洗馬駅から3年ほど遅れた大正2年(1913)9月10日に信号場として開設された。その後大正15年(1926)年12月21日、駅に格上げされた。一時貨物営業もしたが昭和30年代以降はほぼ旅客扱いのみであり、早くに無人駅となって小さいながらあった木造駅舎も近年取り壊され、改札のない簡単な待合室のみになってしまった。現在はJR東海に所属している。一日の乗り降りする人も20人前後の静かな駅である。
日出塩駅に停車する列車は今も昔も普通列車のみである。昭和46年始めまでは蒸気機関車(D51)の牽く客車列車が駅を発着していた。その後客車列車はディーゼル機関車牽引となったが、昭和48年(1973)6月の中津川ー塩尻間の電化完成により一往復を除いて電車化された。80系や113系などを経てしばらくは元急行型の165系などが中心となって短編成ながら運用されてきた。現在はJR東海の313系などが日中は主に2両でワンマン運転の列車が日出塩駅にやってくる。
駅を出て短い坂道を下るとすぐ旧中山道に出る(上記の案内がある)。ここを左折して二分ほど歩くと塩尻市の「すてっぷくん」の「日出塩上」バス停がありまた右折して1分ほどで「長泉前」バス停もある。さらに少し歩くと一里塚跡があり、 中央線を越して20分ほど歩けば(またはバスで5分ほど)本山宿である。
◇代表訪宿年月日昭和61年(1986)6月19日ほか※他にもあり、平成7年(1995)10月20日(本山そばの里訪問など)2014年11月14日ほか
現在、塩尻市のコミュニティ(地域振興)バス「すてっぷくん」の楢川線、宗賀線などの便が主に塩尻駅から洗馬ー本山ー贄川ー奈良井あたりを結んで運行している。本数はあまり多くないが日出塩駅近くも通るので時間があえば利用できる。日出塩駅からは日出塩上(贄川寄り)、長泉院前(本山寄り)どちらのバス停も徒歩約1〜3分ほど ※宿場内の主なバス停(洗馬方から) 旧宗賀南部保育園前ー本山下町ー権現入口ー本山仲町ー本山上町 ※なおJR日出塩駅最寄りのバス停は長泉院前もしくは日出塩上になる
※高速バス…新宿高速バスターミナルから中央高速経由で木曽福島まで一日一往復運行している便が本山宿の近くを通る。なお最寄りバス停はバイパス上にある「本山宿」
◇駅スタンプ…現在は無人駅のため、なし。かつては「これより南木曽路」の碑が図柄のものがあった現在はなし
※宿内や日出塩駅周辺に郵便局はなく、一番近いのは隣の洗馬局になる
◇古い建物・町並みの保存度…(S・AーE) A
◇その他の街道・宿場としての見所@本山から贄川よりに行った桜沢にある「これより南木曾路」の碑 A「本山そばの里」
@現在は塩尻市の観光パンフレットに「中山道の宿場」として必ず紹介されている。
@「信州 塩尻の旅」A4…表紙は奈良井宿の町並み写真。宿場に関しては奈良井宿、次ページ見開きで中山道・善光寺街道・三州街道を紹介 その中に本山宿もあり、広重の画と町並みの写真が掲載。